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【東神大の再生はあり得るか】

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東京神学大学の問題を考える会 松 原 和 仁

 

 2020年から2025年2月の現在まで5年間に、原告元学生3人、元教員1人と被告元学長及び東京神学大学側との訴訟案件が合計6件、裁判所に提訴されました。


 うち、4件の判決が確定し、なお2件が係属中である。今まで東神大問題を考える会は学長及び理事長に質問書9回対話申し入れ2回、また評議員会に申入書1回、文科大臣宛の行政処分申入書1回、提出してきました。質問書に対する回答は、5回目から無回答、対話申し入れに対しては拒否の状況である。

 

 元学長 芳賀力氏が自ら行ったハラスメント、人権侵害などの不法行為につき、認定判決を下されながら、トップとしての責任をとることなく、退職後には名誉学位の称号を授けられ、さらに現在も特任教授の地位で在籍している。大学のガバナンス機能が完全に喪失している。社会常識として許されることではない。

 

 また財務問題として全国信徒からの献金による3号基金6億円で仕組債を購入し、9千万円の損害を発生させた。これらの一連の出来事は、世にある大学法人としては前代未聞であり、誠に恥ずべきことである。


 にもかかわらず、大学側は今なお全国の教会や献金をささげている信徒及び関係者に対して公表することなく、隠蔽姿勢を取り続けている。毎年約2億円近くの献金を献げている信徒や教会に対し、説明責任を果たしていないのである。

 

 この世に沈黙し、無関係でいることで伝道は進展するのだろうか。東京神学大学の行為は、世の規範や法令に違反するだけでなく、キリスト教倫理の根本である神の律法(十戒)に反抗する行為をなしており、神学校としての存立基盤が崩壊している状態である。


 今も裁判係属中である元学生の原告Mさんは次のように語っている。

 

「法廷で宣誓したにもかかわらず、証言台に立った被告らキリスト者が偽証してはならないという戒めに反して躊躇うことなく、さらさらと嘘をつくのを呆気にとられて見ていた。キリストの教会に派遣する牧師を養成する大学教師たちが平気で嘘をつき、仲間を裏切り、蹴落とし、自分さえよければそれでいいという浅ましい姿を見て、東神大がここまで堕ちていることを悲しく思った」と。(『時の徴』No.171  2024.10)

 

 東神大は特に昨今また現学長 神代真砂実氏は学報にて全国の教会に対して、「召命者や入学志願者を送ってください」また、東神大財政の赤字を黙し「献金依頼のお願い」をしてきている。


 事実や真実を知らせることなく、また、謝罪や責任を取ることなく、世と遮断し、閉鎖された東神大に誰が協力できるだろうか。


 東神大の刷新、再生のために避けて通れない道は、まず、これまで5年間に発生した出来事について検証し、各教会、信徒たちに対して誠実に真実を公表すべきことではないだろうか。

 
 
 

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