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フォーラムのご報告

 去る3月28日に「東京神学大学の問題を考える会」主催のフォーラム「今、神学教育の将来を考える」が開催されました。大森めぐみ教会を会場に、対面、オンライン合わせて約100名の方々が御参加くださり、現在東京神学大学が直面している課題への関心の高さがうかがわれました。


 第一部では、関川泰寛牧師(大森めぐみ教会牧師、元東京神学大学教授)が「なぜ、私は東京神学大学をやめるに至ったか」と題して、ご講演くださいました。一昨年まで25年にわたり、神学教師として、伝道者育成に携わって来た関川牧師にとって、東京神学大学を退職するという決断は、痛みの伴う、非常に重い決断でした(ちなみに東神大の学報等では、関川牧師の退職についてこれまで一切触れられていません)。その決断に至るプロセスには、現在の東京神学大学内部において自由な批判は許されないこと。大学を批判した者に対しては、文書をねつ造し、学生には偽証を強要してまで、処分を画策しようとするなど、一般の社会常識と照らし合わせても、ましてや神学校として到底考えられない事態が起きていることなどを、ご自身の体験をもとにお話くださいました。会場からは「偽証してはならない」という十戒に反することが神学校において行われているとの指摘もなされていました。


 第二部では、牧師有志により、東神大の財務問題について、ウェブサイトに公開されている財務資料をもとに詳細な説明がなされました。客観的資料に基づいて、財政状況が危機的であることが明らかにされました。ポイントは、文科省より交付される私学助成金の減少です。数年前までは、9,000万円近くの助成金が交付されていたとのことですが、2020年度は約5,500万円にまで減少しています。まもなく公開される2021年度の決算において、私学助成金がどの程度交付されているのかは注目すべきポイントです。もし大幅に減額されているのであれば、その理由は問われねばならないでしょう。本来であれば、大学側が諸教会に対して、このような財政状況の説明と、将来の経営ヴィジョンを積極的に示すべきですが、残念ながら現在のところ、「献金のお願い」のみで、そのような動きはありません。

 

 またその後、松原和仁さん(日本基督教団富山鹿島町教会員)が、これまで4回にわたって東京神学大学に提出した「公開質問状」と大学からの「回答」について説明してくださいました。松原さんは長年にわたり、信徒として東京神学大学を祈りと献金によって支えて来られました。しかしこの度、大学の財政の柱である第3号基本金9億円のうち6億円あまりが、リスクの高い仕組債という債券によって運用されていることを知り、大変に憂慮しておられます。2016年までは、元本保証が確実な国債などにより、運用されていた第3号基本金が、なぜ突如として元本毀損リスクのある投機性の高い仕組債による運用に切り替わったのか。神さまへの献げ物が献金者に何の説明もなく、リスクにさらされ、実際に2017年に9,000万円の損失が出たにもかかわらず、このことについて、当時諸教会には何も説明がなされませんでした。

 またドイツ銀行発行の仕組債購入が大学の定める「資産運用規定」に抵触する恐れがあることなどについて、松原さんは信徒有志と共に、これまで4回にわたって、大学に説明を求めてこられました。しかし、公開質問状に対する東神大からの回答は肝心なことには答えておらず、ますます疑問が増してくるばかりです。それに加えていくつものハラスメント問題が起こり、訴訟に発展しています。経済の問題とハラスメントの問題を見るにつけ、大学のガバナンスが崩壊しているのではないか。このことについて責任者の責任をどう考えているのか。松原さんはこのことを切実に問いたいとお話されました。

 松原さんは今後も「公開質問状」を通して、大学に誠実な回答を求めていくとお話くださいました。(これまでに提出した「公開質問状」についてはこちらをご参照ください。松原さんの発題に関するレジュメはこちらです。)


 また今回のフォーラムではハラスメントを巡って、学長、大学に対して複数の訴訟が起こされていることについても言及されました。ある一つの裁判では、学長がハラスメントを訴えた学生の成績を第三者に暴露したことについて、学長によるプライバシー侵害を認める一審判決が下されました(現在控訴審が行われています)。「公開質問状」では、このことへの責任についても言及していますが、係争中を理由に回答を得られていません。


 この度の一連の裁判について、キリスト者が世俗の裁判に訴えることを批判する方々がおられることも承知しています。しかし、見過ごされてはならないことは、大学側、教師の側がこの問題と誠実に向き合わず、自浄作用を発揮することなく自己保身に終始してしまったがゆえに、このような事態に発展しているということです。本来は大学側が被害を訴えている人々と誠実に向き合い、問題を解決すべき事柄でした。大学側が公表したハラスメント問題特設委員会による調査報告書では、大学側のガバナンスの問題点が指摘されています。その報告からも明らかなように、そもそもの責任は大学にあるのです。そのことには目をつむり、勇気を持って声を上げ、裁判に訴えざるを得なかった人を安易に非難することができるでしょうか。

 ちなみに、数年前に東京神学大学「某名誉教授」と東京にある「某教会の牧師」(東神大同窓会会長)が自らが仕える教会の信徒を相手取り、訴訟を起こしたことが月刊誌等で報じられています(詳細はこちらを参照)。しかし不思議なことに、東神大関係者および同窓生から、このことに対する批判の声を聞いたことはありません。

 

 私たちが憂えていることは、このような深刻な状況を内部に抱えている東京神学大学が、自らを省みることなく、主の目に適う神学教育を行うことができるのか、ということです。東京神学大学自らが、大学の存立の危機、伝道の危機を引き起こしていることを、まずは自覚すべきでしょう。私たちはそのことなくして、東京神学大学再生の道はないと考えます。東京神学大学が、悔い改めるべきことを悔い改めつつ、これからの神学教育のヴィジョンを明確に示してくださることを願ってやみません。

 

 

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