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【「時の徴」170号の記事より】

更新日:10月9日


 つい先日、同人誌「時の徴」170号が発行され、その中で「教団立神学大学裁判」判決についての記事が掲載された。


 この裁判はM元神学生が東神大教師や、東神大理事によるハラスメントを巡って提起した裁判である。同記事によると、3月13日、東京地裁は原告の請求を棄却する判決を下した。

 

 しかし今回の裁判は弁護士を立てず、M元神学生による「本人訴訟」で行なわれたため、「非常に不利な形で、学校側の勝訴へとスピード結審で司法判断が下ってしまったという面は否めない」という。

 

 M元神学生は判決を不服として、高裁に控訴している。裁判の詳細については、是非「時の徴」170号をお読みいただきたい。

 

 地裁判決では残念ながら「請求棄却」という判決となったが、この裁判を通していくつかの驚くべき事実が明るみに出された。以下、「時の徴」170号に掲載された文章をもとに、事実経過を記す。


◆2019年、東京神学大学理事会は関川教授に対する戒告処分に続き、譴責処分をも検討しており、そのための証拠集めを行なっていた。


→ちなみに東神大は、関川元教授に対する元学長の不法行為が裁判で認められ、損害賠償の支払いが命じられたにもかかわらず、元学長に対しては何ら懲戒処分を行なっていない。


◆そのような中、2019年12月7日東神大オープンキャンパスの公開授業を関川教授が担当。この公開授業に関川教授の発言を監視するかのように、小泉教授が参加を試みる。


◆関川教授がそれに気がつき、退席を求めたため小泉教授は渋々退席。(公開授業そのものは何も問題なく終了)。小泉教授はこのことが、自身に対する業務妨害だと、学内で騒ぎ立てる。


◆その場に居合わせたM元神学生は長山信夫理事が牧し、長女の長山道准教授〔当時〕が協力牧師を務める教会の神学生であった。


◆長山信夫理事の長女で東神大教師の長山道准教授(当時)は、その場に居合わせたM元神学生に対して、自作した「M元神学生名義の陳述書案」への署名捺印をメールで依頼する(依頼メールと長山道氏作成の陳述書案の実物は証拠として裁判所に提出された)。


→東神大は、関川元教授を処分する証拠を集めるために、一学生にいわば「偽証」の片棒を担がせようとしたのである。


◆長山道氏のメールには、この依頼が神代真砂実教授(現学長)からのもので、理事会が関川教授の譴責処分を検討していること、陳述書を見るのは伊藤瑞男理事長(当時)、芳賀力学長(当時)、神代真砂実教授と弁護士だけである旨が記されていた。


◆またそのメールには「現在の問題は教授会のガバナンスが破られていることで、破っている〔関川〕先生に回復を期待することが出来ないので、処分はやむを得ないと考えて」おり、大学の「正常化に協力してほしい」と記されていた。


→そもそも、教師の懲戒処分という理事会の機密事項を、一学生に漏洩していること自体が、大学のガバナンスを著しく破っている。

本来はこのこと自体が懲戒の対象となるのではないか。


◆M元神学生はこの依頼に驚愕し、不信感を抱き、署名捺印を拒否。


◆その後、長山親子によるM元神学生に対する風当たりが強くなり、不利益を被るようになった(反省文を提出しなければ、大学院進学の推薦状を書かないなど)


 以上はこの度の裁判により、明らかになったことの一部である。体制に批判的な教師を組織の中から排除するために、一学生を利用し、ガバナンスを破ることをも厭わない。

 

 この度の裁判を通して、東神大が組織ぐるみで教師と学生を追い込んでいたことが明らかになった。一般常識と照らし合わせて、到底考えられないことを神学校が行なっているのである。

 

 地裁判決で原告の請求が棄却されたにせよ、このことによって元神学生が精神的苦痛を受けたことは、事実である。そうであるにもかかわらず、大学から未だ本人への謝罪もなく、説明責任も果たされていない。

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