東京神学大学と涌谷教会、涌谷保育園問題
- toshindaimondai
- 2021年10月25日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年4月12日
社会福祉法人涌谷みぎわ会と同法人が運営する涌谷保育園の元保育士との間で、理事長瀧澤雅洋氏(同保育園元園長、隣接する日本基督教団涌谷教会元牧師)のパワーハラスメントを巡って、裁判が行われている。さらに、涌谷教会と瀧澤氏の間でも瀧澤氏の解任手続きを巡って裁判が行われている。(クリスチャントゥデイ(2021年9月21日))
クリスチャントゥデイが報じるところによると、同法人理事には日本基督教団下谷教会牧師の藤田義哉氏、評議員には東京神学大学名誉教授で日本基督教団五反田教会牧師の山口隆康氏が名を連ね、瀧澤理事長を支えている。
また、瀧澤雅洋氏が涌谷教会に着任したのは2015年(『宗教問題』vol.32)であり、この時人事の斡旋を行ったのは、瀧澤氏の出身神学校である東京神学大学とされる。2015年と言えば、東京神学大学の現学長である芳賀力氏が一期目の学長を務めていた時期である。よって、芳賀力学長の推薦によって、瀧澤氏が涌谷教会に赴任したことは明らかである。
しかし、この件に関して、「東京神学大学は、瀧澤氏に関する公式的な見解や対応の進捗を公開の場でいまだ明らかにしていない」とクリスチャントゥデイは報じている。
さらに、涌谷みぎわ会理事である藤田義哉氏と評議員である山口隆康氏について、『宗教問題』vol.32は次のように報じている。
「この2人は玉川平安教会(東京世田谷区)の牧師であった2008~2009年にかけて、その言動や教会会計の透明性に関して信徒から疑問を抱かれ、教団内で辞任要求を求める文書を配布された。
これに対して2牧師は、文書配布の差し止めなどを求めて10年4月、3人の信徒を相手に民事裁判を起こす。この裁判自体は和解で終わったが、その後も役員の改選や会計の明朗化はなかった。そのことから14年9月、今度は先の裁判の被告を含む67人の信徒から、2牧師は提訴されたのである。
当時この騒動を報じた情報誌『FACTA』(ファクタ出版)によると、・・・牧師2人は2016年3月、自らの責任は認めないまま辞任を表明した。だがその過程で山口牧師は、合意の上で行われたはずの給与削減分3121万円を『未払い給与』として退職金とともに支払うよう、役員会に請求したというのである」
FACTA(2015年7月号) 「日本基督教団の有力牧師が醜い訴訟合戦」
FACTA(2016年5月号)「牧師二人辞めてもごたごた キリスト教会きりきり舞い」
山口氏と藤田氏は「福音主義教会連合」の重鎮とも言える。また、現在の東京神学大学は理事長(近藤勝彦氏、銀座教会協力牧師)をはじめ財務理事(長山信夫氏、安藤記念教会牧師)、教授陣の大半を「福音主義教会連合」のメンバーが占めている。このことは、決して偶然ではないだろう。東京神学大学の理事会、教授会は一連の事態に対して、どのような見解を持っているのだろうか。
また、東京神学大学の元学生が、在学中のハラスメントをめぐり、東神大教授を相手に裁判を起こしているが、このことについて、批判する向きもある。しかし、そのような人たちは東京神学大学の名誉教授が自らの牧する教会の信徒を相手取って裁判を起こしたことについては、誰も声をあげない。どこまで沈黙を守り続けるのだろうか。
現在問題が噴出している東京神学大学と社会的騒動を引き起こしている涌谷問題。この二つは同根の問題としてとらえられる。
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