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【考察】仕組債損失と配管工事献金要請の因果関係

  • toshindaimondai
  • 7月24日
  • 読了時間: 3分

―東京神学大学の資金運用と施設整備の問題を検証する―


 東京神学大学は、2026年度に本館の老朽化した配管の大規模工事(最大4,000万円)を予定し、教会と信徒に「建物設備献金」への協力を呼びかけています。https://www.tuts.ac.jp/news/news-20250723-2/


 しかしこの背景には、過去の資金運用と施設整備における重大な問題が関係していると私たちは考えます。


■ 過去に起きた仕組債による9000万円の損失

 2017年、大学は証券会社の勧めにより、「為替連動型仕組債」を購入。


 ところが同債券を売却した際、額面6億円の債券を5億1000万円で処分し、**9000万円の「処分差額(実質的損失)」**が発生しました。これは決算書にも明記されています。


■ 減価償却引当資産からの5000万円の繰り入れ

 この損失を補填するため、大学は減価償却引当特定資産から5000万円を第3号基本金に繰り入れました。


 これは本来、建物や施設の修繕などに備えて積み立てておくべき資金です。


 つまり、大学は将来のインフラ修繕費用を流用して、金融投資の損失を埋めたのです。


■減価償却引当特定資産とは

 学校法人会計における「減価償却引当特定資産」は、老朽化する建物・設備の更新や修繕のために積み立てる準備金です。

 

 通常は建物などの減価償却費相当額を現金として内部に保留し、将来の大規模修繕や建替えに備えるものです。


 これは健全な学校経営の基本でもあります。それを金融損失の穴埋めに使ったことは、目的外使用に他なりません。

 仮に規程上可能であっても、信義則と説明責任の観点から、信徒や寄附者に対する明示的な説明と同意が必要だったはずです。


■ 今また施設整備のために献金要請

 そして現在、大学は本館の配管工事費用4,000万円の確保が困難として、再び教会・信徒に献金を求めています。


 これは、過去に流用した5000万円が今ここに影を落としていることを意味します。


 もし、仕組債による損失が発生していなかったか、あるいは引当資産の取り崩しがなければ、この配管工事は学内資金で十分対応できていた可能性が高いのです。


■まずは教会・信徒に対する説明責任を果たすべき

 私たちは、教会と信徒による支援を否定するものではありません。むしろ、支援の根拠となるのは信頼と説明責任であると考えています。


 しかし大学側は、9000万円の損失を「損失ではない」とする姿勢を変えず、減価償却引当資産の流用に関する真摯な説明も行っていません。


 今また献金を求めるのであれば、なぜ資金が不足しているのか、その理由と過去の判断について、正直な説明と反省が必要です。


■ 今こそ「誠実な会計」と「信頼回復」を求めて

 東京神学大学は、全国の教会からの尊い献金によって支えられている神学教育機関です。その運営には、誠実な財務運用と透明な情報開示が不可欠です。


 大学が将来にわたって持続可能な教育機関であるためにも、過去の問題と正面から向き合い、真摯な姿勢で信頼の回復に努めることを強く願います。

 
 
 

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